アダム・リッポン・オリンピックシーズンスケート使用曲【牧神の午後への前奏曲】

フィギュアスケートに使われた曲をクラシックを中心にご紹介しています。
そして、ピアノなどの鍵盤楽器で楽しめる楽譜をご紹介しています。

アダム・リッポン・オリンピックシーズンスケート使用曲

【牧神の午後への前奏曲】
クロード・ドビュッシー作曲

「牧神の午後への前奏曲」は、1892年から1894年にかけて作曲された
ドビュッシーの管弦楽曲です。
ドビュッシーは、詩人のマラルメにあこがれていて、
彼の作品「牧神の午後」に感銘を受け、「牧神の午後」を作曲しました。

牧神のもつ「パンの笛」をイメージした、牧神のテーマを表す、
フルートのメロディーは嬰ハという音から始まり、調性のない不思議なひびきが、
独特な世界を表現し、牧神という架空の存在の表現を見事にしています。
普通、フルートは高音楽器として、高いメロディーを担当することが多いですが、
中音域で、またフルートの違った魅力を引き出したことも、
新しい試みと言えます。

初演は1894年12月22日、パリの国民音楽協会でした。

ドビュッシーは、この曲のほかにも、
歌曲集「ビリティスの3つの歌」、無伴奏フルートのための「シランクス」、
ピアノ連弾曲「6つの古代碑銘」でも牧神をテーマにした曲をかいています。

ドビュッシーの調性感やこれまであった古典やロマン派になかった
和声感にとらわれない感覚と、現実的でない神々の世界観がマッチしていたのかもしれません。

「牧神の午後」は、のちにヴァーツラフ・ニジンスキーの振り付けで
バレー音楽として、上演され、人気を得るようになりました。
初演は、1912年。

マラルメの詩をもとに、
牧神が岩の上でブドウを食べていると、7人のニンフが現れ、水浴びを始めます。
ニンフとは、ギリシャ神話では、精霊や妖精、下級のめがみを表しています。
それを見た牧神は、ムラムラとして、誘惑しようとしまいますが、
ニンフたちは逃げてしまいます。
が、その時ニンフのひとりが落としていった、ベールをみつけ
その匂いを嗅いでみたり、欲情する。
というみのです。

ヴァーツラフ・ニジンスキーは、
このストーリーに、古典的なバレエではなく、新しい試みをし、自らが主演しました。
モダンバレエの先駆けとなりましたが、
牧神の欲情を、自傷行為という露骨な性的表現で表し、
物議を醸しだしました。

「
」は、ドビュッシー自身による二台ピアノ用編曲が、
1895年出版されているほか、
モーリス・ラヴェルによる連弾用編曲が、
1910年に出版されています。
ピアニストレナード・ボーウィックによるピアノ独奏用編曲も、
1914年に出版されています。
初心者用に簡単にアレンジされたピアノ楽譜も出ていますので、
ぜひ演奏にチャレンジしてみてください。

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