スケート使用曲・オペラ『サロメOp.54』より7つのベールの踊り

スケート使用曲【オペラ『サロメOp.54』より7つのベールの踊り】
リヒャルト・シュトラウス作曲
オリンピックシーズンでは、
ケイトリン・オズモンドさんが使用しています。

オペラ『サロメOp.54』は、1903年から1905年にかけて作曲されました。
『サロメOp.54』は、1幕からなるオペラで、前奏もありません。
4場面構成で、4部面の「７つのヴェールの踊り」が有名です。

初演は、1905年12月9日。ドレスデン宮廷歌劇場で。
エルンスト・フォン・シューフ指揮。

ストーリーは、オスカー・ワイルドの戯曲がもとになっています。
この戯曲は、「新約聖書」の中の物語の抜粋されたものでしたが、
オペラを完成させていくうちにエスカレートして行き、
「預言者ヨカナーンの生首に少女サロメが接吻する」という残酷なシーンなど、
衝撃的な場面、官能的場面が多く、一時上演が禁止されることもありました。

物語は、王が再婚し、その再婚相手よりも連れ子であったサロメに
興味を持ち始めたことから、発展していきます。

あるときサロメは、王のふまいにうんざりして饗宴から抜け出し、
偶然に入っていった地下で、預言者ヨカナーンを見つけ
次第に、興味から恋心を抱くようになります。
しかし、ヨカナーンは、どんなに誘惑してもなびきません。

あるとき、王は、サロメに踊りを強要します。
サロメは、初めは拒んでいましたが、自分の願いをかなえてくれること。
という約束で、踊りはじめます。

これが、「７つのヴェールの踊り」です。
この踊りは、裸身に色々な色の７枚のヴェールを身につけ踊る官能的な踊りです。
見返りとしてサロメは、「銀の盆にのったヨカナーンの首」を要求
そして、「やっと口付けができる」と生首に接吻するのです。

その様子を見た王は、恐ろしさを感じサロメを殺します。

この「７つのヴェールの踊り」からのシーンや音楽がとても有名です。
が、この場面が問題になった場面でもあります。
なぜなら、サロメを演じるのソプラノ歌手が裸にならなければならない。
という、過剰な演出がされているからです。

又、サロメ役の歌手は約10分間踊ったあとに
長いモノローグを歌わなければならず、そういった事でも難役といえます。

音楽的にも、「７つのヴェールの踊り」からが、
それまでの場面とあまりにも違いすぎる。
と、完成度の違いや、違和感を感じさせると、批判もあります。

色々な意味で、物議を醸しだした作品ですが、
元は、聖書です。
この物語の預言者ヨカナーンとは、聖書の中のヨハネの事です。
サロメも、ヘブライ語で平和の意味をする名前です。

カトリック教会では、聖人サロメがいます。
本来は、健全な物語のはずだったのです。

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